子どもと母親に寄り添う人との対談・インタビュー

地域の絆で育む子育ての未来

丸茂ひろみさんに聞く:地域貢献と子育て支援の在り方

丸茂ひろみ さん

神奈川県藤沢市出身
社会福祉法人みどの福祉会
新町デイサービスセンター管理者 地域貢献事業部 代表
神奈川県藤沢市にて児童養護施設、児童相談所一時保護所で勤務後、群馬県に嫁ぎ現在に至る。
現場の仕事以外の地域の困りごとに着目した地域貢献事業(フードバンク等)
こども食堂ネットワークぐんま 代表
こども食堂ネットワーク高崎 代表、保護司

今回は、普段からお世話になっており、憧れの存在でもある、丸茂さんと“むすぶトーク”をお送りしたいと思います。

丸茂さんといえば、群馬県内では知らない人がいないんじゃないかと思うほど、多方面で活躍されている方です。特に貧困や若年妊娠など、私たちの活動とも通じるところがあるなと思います。

丸茂さんは、妊娠や出産、育児を通じて感じた「モヤモヤ」や「不安」がありましたら教えてください。

初めての出産はもちろん嫁ぎ先に知人も親戚もいない(当時は携帯もない)中での子育ては、寂しかったです。

土地勘もなく運転免許もなかったので。

でもそれが、今の地域貢献事業「ホームスタート・しんまち」の活動にも繋がっていると思います。

私と同じ、県外からの嫁ぎ組ですが、さすがに携帯電話はありました。
携帯電話もない、子育てって想像ができないほど心細そうですが、その経験が、多岐にわたる活躍をされている丸茂さんの原動力になっているのだと、改めて分かった気がします。

そんな大変さや困難さを、どのように乗り越えられたのですか?

ひたすら、夫の帰宅を待つ、夫の友人の奥様を紹介してもらうなどですね。

時々実家に行くこともありました。
他には、母親学級に参加する、近所の方に自分からあいさつするなどをこころがけました。
子どもが生まれてからは俗に言う“ママ友”ができましたね。

このむすぶトークでは、丸茂さんみたいに、パパの帰りをひたすら待つという、なんとも今のお姿とのギャップを感じるのは私だけでしょうか…
私も、今ではどこへでも勝手に行くくらいで怒られますが、わたしも新婚当時そんなかわいらしい女性だったなと思い出しました(笑)

丸茂さんは、今振り返ってみて、あの時に「知っておきたかったこと」や「しておけばよかったこと」などありますか?

先輩ママの会、子育て支援センター情報

そして、近所にいる優しいおせっかいおばちゃんなどを知りたかったです。

行政には行くほどではないですし。

なるほどー。確かに近所の優しい・おせっかいな大先輩など知りたかったです。

近所付き合いも疎遠になるとどんどん心細くなりますしね。
今はもっと、ご近所付き合いってないんでしょうね。
お隣の方を知らないなんてよく聞きますしね。そんな、今どきの子育て世代に向けて、一番伝えたいことは何ですか?

遠慮なく誰かに困っていることを話してもらいたいです。

誰もいないなら子育て支援センターや保育園、保健センターなどに駆け込んだら相談機関やインフォーマルのサロン情報をおしえてくれるのではないかな。
少なくとも私はしますよー。

そして、ぜひ、関係者は冷たい対応だけはしないでと同時に願う気持ちです。

誰かに困っていることを伝えてくだされば、群馬では丸茂さんにつながりますしね。
子育て中にも会いたかったな~。
ここまでのお話を聞いて、妊娠中や育児中に「あったらよかった」と思うサポートやサービスを現在、展開されていると思いますがやはりそうですか?

母乳の悩み(乳腺炎になったことがあった)や断乳、離乳食などまだママが外出が自由にしにくいときは訪問してくれる保健師さんや民生委員さんや母子推進員さんなどがもっと頻回に、呼んだらいつでも来てくれる!という安心感がほしいかも。

だから「ホームスタート・しんまち」は力になりたくてスタートしました。

話しを聞きに来てくれるって私も、新ママさんから聞いたことがあります。

それだけでほっとするって。
ほんと、些細なことで、ほっとできる存在って必要ですよね。

オンラインでの情報提供も全員向けから個別向けへ。
同じようで同じでない悩みだから。

地域の拠点があると「あそこへ行けば、ほっとできる」「ここへ来たらなんでも聞ける」場所が地域にあればいいと思って、シングルだけのランチ会を 開催しています。

同じ仲間で気兼ねなくコミュニティが広がり、私との会話で課題を私は拾えます。
改めて相談があるーとは言ってこなくても結果相談です

同じようで、同じではない悩みにとっても共感します。
そんな風に思っている大ベテランが地域にいるって心強い。
丸茂さんは、家族や友人、地域の支援ネットワークの中で「もっとこうだったらよかった」と感じたことはありますか?

今のパパは家庭的イクメンと言われていますが、まだまだ仕事中心でしょう。

ファミサポという制度もありますが、困窮者に限って利用しにくい(費用がかかる)、近所の地域内での助け合いがネットワーク化されて家族友人知人隣人が一丸となって子育て応援団になれたら、本当の子育てしやすい高崎市。

制度だけ作っても必ず狭間はできる。
そこを官民協働で埋めるには地域の民間ネットワークも必要です。

私たちも縦、横、斜めの関係つくりを目指しています。
すごくいいお話をありがとうございました。
たくさんのヒントが詰め込まれていたお話でした。
これからの世代の方々に、丸茂さんの存在は大きいですね。
ありがとうございました。