子どもと母親に寄り添う人との対談・インタビュー

笑って子育てできることに「ありがとう」

石川 京子 さん

笑って子育てロリポップ 代表
石川京子 高崎市在住(渋川市生まれ)
重度心身障害者児、医療的ケア児のママ:チカちゃんママ
WORKS:屋外広告士、グラフィックデザイナー

STEELTIC DESIGN
一般社団法人ジャムサンド 代表理事
社会活動;全国医療的ケアi-Line 群馬県代表
群馬県医療的ケア児等支援協議会委員
群馬県医療的ケア児者等支援ネットワーク「フレフレ」代表
PRODUCED:こども服「ragone」
ユニバーサルシートカー「ローリー号」
ユニバーサルシートトレーラー「ハッピー号」等

いつもパワフル・明るい・元気な、チカちゃんママこと石川京子さんのお話とても楽しみにしていました。
よく色んな場所ですれ違いますよね(笑)
行動的なのは一緒かもしれませんが、ポジティブさは負けるな~といつも尊敬しています。

そんな京子さんでも(といっては失礼ですが) 妊娠や出産、育児を通じて感じた「モヤモヤ」や「不安」はございましたか?

不妊治療の末、やっとできた赤ちゃんにとてもうれしかったです。
40歳までずっと仕事をしていたので、相談できるはずの同級生の情報は10年ほど古かったです。汗

子育て情報はアップデートが早いですからね。

「今これやってないの?」
「今ってそれなの?」
ってよくありますよね。

不妊治療を頑張られていたとのことですが、
その時の不安や悩みはどのようにされていたのですか?

近所の働く奥さんに相談していました。

その方も妊娠中で、話していてとても安心でした。
高齢出産の方には、身近な相談者がいないこと。
仕事をしているとなかなか、妊婦モードになれず無理をしてしまうこと。
もっと、素直に相談できる場所や仲間が欲しかったです。

近所に同じ妊婦さんがいるのは心強いですが、一人ひとり、同じ妊娠もないですからね。
特に年齢も幅広いなって印象を私も受けます。

また、県立小児医療センターの存在もよく知らず、もっとよく知っていれば、娘は脳性麻痺にならなかったかもしれない。
小児医療センターで出産できていたらと、悔やむこともあります。

その立場にならないと分からないこと、知らないことって沢山ありますよね。
京子さんの行動力・熱い思いはそこから来ているのですね。

家族やパートナー、周りの人たちはその時どんな感じでしたか?

元気印の私から笑顔が消え、きっと周りはどう話しかけていいか困っていたと思います。

いち早く「俺は気にならない(娘の障がいのこと)」といった夫の言葉に、ハッとし、私はいつまで泣いているんだろうと思いました。

すごく心強い言葉ですね。

私は以前から、京子さん・チカちゃんのことをよく知っていて、京子さんから“泣いてばかりだった”“誰とも話せなかった”と聞いたときは、ハッとしたことを思い出しました。

目の前にいる明るい(明るくしているかもしれない)方々も多くの涙を流しながらここにいるのだなと改めて感じたんですよね。

京子さんが、今一番伝えたいことは何ですか?

わが子に障がいがあっても大丈夫と言いたいけど、
あの頃の私にその言葉を伝えても、聞こえないと思います。

ただ、ただ大丈夫と背中をさすってあげたいです♡
今、私たち笑って子育てロリポップでも行っている「ピアサポート」です。

ピアサポートなんて、同じ境遇ママがおこがましいですが、ピアサポートすることで、自分の居場所も作れるから、これまでの手探りな子育てが「正解だよ」って言ってもらえてる気がします。

うるっとします。

どんな状況でも、そっと手を差し伸べてくれたり、背中をさすってくれたり、そんな存在って温かいし心強いですよね。
京子さんのご活躍、日に日に大きな輪になっているイメージですよね。
行政など堅い組織まで動かしちゃってすごいなーって気持ちいいです(笑)

今では幅広いサポートや制度などお詳しいかと思いますが、その当時、実際に利用してみて「役立った」と感じたサービスやサポートはありますか?

群馬整肢療護園のらっこちゃんクラブ、月2回の母子室園です。
あんなに底抜けに明るい職員さんたちはいないです。
「笑っていいんだよ」って応援してくれてるみたいです。

私も看護協会の研修等でお見かけしましたが、めちゃめちゃ明るくって、あの雰囲気はすごいなーって感心しましたよ。看護協会であの雰囲気が出せる人は神です(笑)

京子さんは、妊娠・育児期に「こんなサービスがあったら助かったのに」と感じたことはありますか?

高齢出産の方のサポートです。
不安をあおるのではなく、適齢期のママたちと同じように情報が洩れないようお願いしたいです。

そうですよね。
必要な情報かもしれませんが、見ていて“怖いな”“それホント?”って都市伝説みたいなものまでありますよね。

地域やオンラインで利用できるサポートやサービスについて、もっと知りたかったことや情報が足りなかったと感じた点はありますか?

医療的ケア児のママオンラインは夜中9時からが多いです。

それでも、つながりたい方はいっぱいいるんだな。
ママたちのインスタライブは面白いです。
いつかゲリラ的にやりたいw

いつかスクランブル交差点の電光掲示板に京子さんが出そうな気すらします(笑)
 
家族や友人、地域の支援ネットワークの中で「もっとこうだったらよかった」と感じたことはありますか?

重症心身、医ケア児でありながら娘は地域の学校に通っています。

恩返しの想いもありPTA会長をしています。
すると、気になっていたことが良く見えます。
地域のイベント、こども食堂などをきっかけに、

障がいの有無や世代を超えた交流によって
地域のみなさんの距離感を縮めていけたら、
地域にもっと溶け込めたら、

未来に不安はなくなるのでは、安心して子離れできるのではと思います。

具体的にはその地域、その家族にあったことで良いと思います。

たくさんのお話ありがとうございました。

あちこちで、笑って子育てロリポップさんの話を聞きます。
その存在から多くの方の笑顔につながっているのだなといつも思います。最後に、お知らせなどありますか?

啓蒙活動
だれもが気軽にお出かけできる社会へ
全国ユニバーサルシート設置大作戦の発起人です。
群馬県庁、各市町村へユニバーサルシートの必要性を周知しております。
民間へは、イベント時のおむつ替え場所の在り方など、主催者側と一緒に考えていけたら
と、ロリポップメンバーと活動しております。
そして、インクルーシブ教室として、ロリポップの子たちのバギーに乗ってもらったり
障がいあっても笑って子育てできることをテーマに、群馬県内の大学、地域の学校、特別支援学校など講演活動をしております。
子育て中のママ、ご家族の笑顔が少しでも増えますように♡
笑って子育てロリポップ 代表 石川京子