子どもと母親に寄り添う人との対談・インタビュー

「思い通りにいかないのが普通」「自分らしい子育て」

池田 千世 さん

42才。群馬大学医学部保健学科卒業後、理学療法士として病院、訪問看護ステーション、デイサービスで20年勤務。6人の子育て奮闘中でもある。
2019年、子どもの不登校を機に自宅にてママ向け【ゆるめるリンパ整体】サロンオープン。お勤め時代うつも経験し、仕事も子育ても、がんばりすぎると身体や心をこわすことになると知る。
だからこそ、『自分を大切に』しながら楽しく両立できる、そんなママたちをこれからも応援、サポートしていきたいと思い、今の活動をしている。
2021年からはママ起業家サポートやSNS集客の専門家としても活動している。

このインタビューは動画でも観られます。

子供がたくさんいてよかったことは?

上からお年とか聞いても良いですか?

はい、大丈夫です。18、15、13、5、3、0

性別を聞いても良いですか?

上から女、男、女、女、男、女。女、男、女を2回です。

すごい!

だから3人兄弟をなんか2回育てているような感じですね。年も離れてるんでね、上の3人と下の3人で。

じゃあいろいろ見てくれたりするんですね。

そうですね、すごく助かってますね。

産前・産後は特に問題なかったですか?安産?

そうですね。みんな安産。最後は2時間半というスピード安産。

理学療法士としてお産に役立つことはありますか?

子育てに役立つことはあるかな。やっぱりどん底の患者さんが良くなっていくっていう姿をたくさん見させてもらって、あきらめなかったら良い方向に向かうっていうのをすごく教わってきたから。そうですね、子育てもどん底何回も来るじゃないですか。もうだめだ、私はお母さんに向いてない、もう辞めたいみたいなのが私にもありましたけど。でも諦めずに続けていると必ず良い方向になるっていうのがベースにあるので、へこたれないでここまでやってこれたと思いますね。それが理学療法の仕事をしていていろんな人生の先輩に出会ってよかったと思うことですね。

理学療法士の専門分野って大体急性期とか慢性期だとどういうのが多いですか?

そうですね。最初私は総合病院、桐生厚生病院にいたので、急性期ICUとか本当に命の危険がある方から回復期の方まで病院で見させてもらって。あと外来で慢性期の方とかも結構見させてもらって、そのあと訪問看護ステーションもやったので在宅の割と慢性期と言いますか、今度は終末期のなくなっていく寸前までサポートさせてもらうとかそういうところもかかわらせてもらったから、本当に勉強させてもらったなって今思いますね。

そのお話を振ってみたのは、急性期のPTさんとかうちも訪問看護ステーションやってるから結構あゆみが遅いじゃないですか、慢性期って。劇的な変化がないから結構心を病む人がいるんですよ。

良くならなかったりとか、悪くなる方が多いですからね。

そうなんですよ。だから、子育てってどっちに近いのかなと思って。ダイナミックさもありつつ、なんか全然変わらない、何回行ってもだめだなみたいな子供もいて。だからどっちなのかなっていまふと思いましたね。

なるほど、そうだったんですね。

良かったことはですね、やっぱり一番はたくさんいるので多様性、生物多様性みたいな、動物園みたいな。みんなそれぞれ違うんだということがわかりました。同じ親から生まれて同じ家庭で育ってもみんなそれぞれ個性を持ってて違うんだなってことが分かったんですよね。それはたくさん産んだからわかったことだと思いますね。あとは、最初の一人目、二人目、三人目くらいまではわたしすごく頑張ったんですよ。なんかちゃんとしたお母さんになりたくて。仕事もしてましたし、仕事もちゃんとしたい、家庭もちゃんとしたいと思ってすごく頑張ったんですけどパンクしちゃったんですよね。キャパオーバーになっちゃって。そのあと、そっか、そんなに力まなくてもいいやっていう風にだんだんなってきたので、4人目以降の子育ては頑張らない子育てをしている感じです。

最初からその4人、5人、6人というのは計画にあったですか?

それは計画ではないです。希望はありました。でもやっぱり経済的にとか、他の人と比べて多すぎますもんね。だから普通じゃないというか。子だくさんに憧れはあるけど、現実的には無理かなとしか思ってなかったです。まあ3人くらいかな、なんていうビジョンだったんですけど、4人目からは本当に勢いで生んでいますね。

子供がたくさんいて大変なことは?

逆に大変だなと思うことは?

大変だなと思うことは、時間がいろいろかかる。スケジュールがそれぞれのスケジュールを把握しながら自分の仕事とかやりたいこともあるので、そういうスケジュール管理っていうのは大変かなと思う。

それってなにか工夫してることはあるんですか?だってみんなからプリントとかみんなから予定が来るじゃないですか。

それも頑張らないです。だからうっかりしていることもいっぱいあるし。でも周りの人って助けてくれるんですよ。わたし長女だったかな、小学校の入学説明会をすっかり忘れちゃって。

入学説明会はなかなかですね。

そうしたら保育園の送迎に行ったときにママ友が「今日入学説明会あるよね、よろしくね」っていつもは会わないんだけどその時はたまたま声をかけてくれて。ええ、今日ってなって。

すっかり忘れてたよみたいな。

会社のほうにも急に休まなきゃいけないんですけどって言って午後休もらって。ほんとにみんなに迷惑かけながら支えてもらいながら毎日過ごしてる感じですね。あと子供から言ってって、お母さんは絶対忘れるから言ってねっていつも言ってますね。

じゃあそこはアナログな感じなんですか。結構このアプリがいいよとか。

全然、むしろ紙ですね。紙でこの辺にこれが書いてあったなっていうので把握していることが多いです。手帳が好きですね。

私もこういうアプリがいいよとか言われても結局冷蔵庫に貼る。付箋で貼るみたいな。

なんか冷蔵庫貼らない方がいいよとか運気がどうとかいうけど、無理無理むりみたいな。

そうそう、一番目に着くところに貼りたいし。

玄関のドアとか。そういうとこじゃないと忘れちゃうんで。忘れん坊なんですよ、基本的に。

それってなんでお母さん忘れてるのとかって言われたときにへこむことってないですか?

ないですね、子供は責めないです私を。私が多分自分をポンコツだってわかってるので子供に対してあんまり多くを求めていないところがあるから、子供も私に多くを求めてないです。ママってそうだよね、忘れちゃうよね、みたいな感じで。だから言っとくね、言ったけどまた、ごめん忘れちゃった、ああそうだよねって感じで。それで回ってますね。

今、子育てで悩んでいる人へ

なんかすごく良い子育てをされている感じがあるんですけど、そういう池田さんのスタンスというか、それも何回も一皮むけて二皮むけてっていうのを繰り返しながらだと思うんですが、今育児に悩んでいるひとってたくさんいらっしゃると思っていて、特にいま一人とか二人、一人生むいまは貴重児って言ったりするんですが、こうなければならないとか、例えば下手するとインスタとか見ると自分と比較して、この例えば生後4か月5か月の離乳食をこんなに上手に作っている私みたいなところをSNSとかでその片鱗だけ見ちゃうと、なんで自分はメイクもしていなくてこんなに苦労しているんだろうって思われて、すごく昔よりも生き辛さとか子育ての仕方の難しさをこれだけいろんな媒体が溢れて必要なものも情報も仕入れることができるのに、すごくいま悩んでらっしゃる方が多いと思うんですけど、そういう風に悩んでいる方に対して、池田さんなりのメッセージとかアドバイスってありますか?

そうですね。やっぱりSNSで見える部分ってきれいに飾られた部分だと思うので、発信しているきらきらしたママ達も絶対おうちで裏側では誰も見ていないところで必死にもがきながら子育てしてると思うんですよね。だからそういうきらきらしたところと自分を比較して落ち込んだりする必要は全くないし、参考にして楽しいんだったら参考にすればいいけど、もし落ち込むんだったら見なきゃいいと思う。ただ情報源があんまりないからどうしてもね、スマホとか情報が偏った方に行っちゃうと思うんですけど、できることならやっぱりリアルな友達と会話をしてみるとか、子育てサークルがあるんだったらそういうところに勇気を出して飛び込んでみるとか、リアルな話を聞いた方が落ち込まないような気がするんですよね。あとはやっぱり子育てがうまくいかないときって、結構パートナーとの関係がうまくいっていなかったり、パートナー以前に自分自身との関係がうまくいっていないことがあるようだなって私も最近気が付いたんです。だからやっぱり自分自身が何が好きとか、何がしたくて何がしたくないとかそういうのをしっかり知ること。知ってやりたいことを選んでやっていく方が幸せなお母さんでいられるかなって思いますけどね。

いつもニコニコ元気で明るいイメージなんですけど、落ちたときってどれくらいの時とかこういう時って落ちるなっていうのは池田さんの中であるんですか?

子育てでいえば、子供が学校で何か問題を起こしてしまったとか、人を傷つけちゃったとか、自分自身を傷つけちゃったとかそういうことを聞いたときはやっぱりへこみます。すっごいへこみますね。だけど、一回すっごいへこんだらいいと思うんですよ。一回ガンとへこんで私へこんだっていうところまでいって、誰か信頼できる人がいるんだったらそういう人に私こういうことがあって辛かったんだよねとか、そういうのをちょっとずつ聞いてもらって楽にしてそれでまた回復するって感じでいいと思うんですよね。私もすごく家で怒ったりもしますし、泣いたりもするし、ほんとに泥まみれの子育てをやってきてますし今もそうですよ。こうやって外だと明るく見えると思うんですけども、もともと明るいとは思うんですけど、明るい私でさえ子育てって結構しんどいですよ。いろんなことが起きるから一回ぐーんと落ちて、落ちても当たり前だし落ちたらあがればいいやっていうのを何回も何回も繰り返していくうちに多分強くなっていくんじゃないかなと思います。

やっぱりどん底を見るというか、中途半端に落ちない方がいいというか。

そうですね。平気ぶったりとか、平気平気みたいな風にやっていた時もあったけどそんなことしなくてもよかったんだなって。泣ける人の前で泣いてもいいし、一人でわーっと泣いてもいいし感情を出すっていうのをやった方がいいと思ますよ。

私の参考にもなります。おじいちゃん・おばあちゃんは近くにいらっしゃるんですか?

近くにいますね。私の両親と旦那さんのお母さんが市内に住んでいるので。両方とも市内なのでよく来てくれて、サポートしてもらってますね。

頼る人がいない人ってどうしたら良いでしょうね。

本当にそれは大問題だと思ってるんですよ。金銭的にも余裕がなかったりするとなかなかベビーシッターさんとか頼めなかったりするし、精神的に人に頼るのが難しいっていう人もいらっしゃると思うんだけれども、絶対子育ては一人ではできないと思うんです。それは私の中で確信だな。一人ではできない。いろんな人に助けてもらって子供に関わってもらって、子供が健全に育っていくものだと思うから、お母さん一人で抱えないでって思いますね。

群馬県の産後ケアについてなんですけど、もともと産後ケアって必要だと言われているし、だけども今はもっと産後ケアの重要性とか必要性って言われているんですけどなかなかそこに予算がつかなかったりましてや産んだばかりの産婦さんは少しでも節約したいじゃないですか、主婦目線で考えても。ましてや子供が生まれたとなるとこれからお金が必要になってくるしってなるんだけど。産後ケアってそこに予算がつかないっていった現状があるのでなかなか群馬県では充実した産後ケアを安く選択できるところまでいっていないと私は思うんですけど、産後ケアの活動も少しされてらっしゃると思うんですがどんなことをされてらっしゃるんでしょうか。

私は保険の適応ではないのでお金はかかってしまうんですけど、ママの身体の整体とただ聞くだけのカウンセリングです。わたし人の話を聞くのだけは得意だと思っていたので。リハビリの仕事をしていた時から、池田さんに話を聞いてもらうと元気になるよっていう風に言ってもらえていたので、あとはこんにちはって行くだけで元気が出るよとか言われたのでそれはきっと私の取柄だなと思ったから、困っちゃったママがどうにもできないんだけど、何か手伝ってほしいとかじゃないんだけど話を聞いてほしいっていう人がいるんじゃないかなと思ってそのカウンセリングもメニューとしてはあります。

ぶっちゃけ自腹を切ってっていう人は多いですか?少ないですか?

身体ケアのほうは結構来てくださってますね。産後のケアが必要だっていうのを感じてくださってるママも多いので。やっぱりこう出産した自分へのご褒美じゃないですけど期間限定で定期的に通ってみようかなっていう意識が高い方も結構いらっしゃいますよ。だけどやっぱりお金がないから行けないなっていう方もいらっしゃるとは思うんですよね。それなんで私はYouTubeで簡単なセルフケアっていうのを発信して少しでも身体がリラックスして過ごせればいいなって思ってそういう配信もしているんですけど。

大事ですよね。受けたかったですね、私も。

ぜひぜひお時間ありましたら来てください。産後ケアって本当に30代、40代でも必要だと思います。お年寄りの方たくさん見てきて思いましたけど、特に女性の方で私たちのお母さん・おばあちゃん世代の方って女性の立場がすごく低かったんですよね、家庭の中で。お風呂は一番最後に入らなきゃいけないとかね。そういう中で女性の方ってすごく我慢して我慢して我慢して生きてきてたんですよ。だから体がすごく緊張して、自分のケアしてこなかったからいろんなところが変形していたりとか、筋力低下してもそのまま70代・80代きちゃうとか。そうなる前に子供を産んだ時点で自分の身体ケアっていうのをできるとその後の何十年先っていうのが明るいかなと思うので。

私も助産師の立場で婦人科系の高齢者の疾患って、子宮脱とか骨盤低筋群とかあのへんのケアを意識してこなかったというか。

なんの情報も知識もなかったですもんね。教育もなかったですし。

しかも産んですぐ立てや動けやで、それは脱にもなるわみたいなね。今お子さんが上が18歳から下は0歳までいらっしゃるんですが、子供さんが巣立ったら何がしたいとか、手がかからなくなったら私一番これやってみたいと思うことってありますか?

私22歳くらいの時からフラダンスを習ってたんですよ。今は子育て中でちょっとお休みしちゃってるんですけど、フラが一番大好きなんですよ。で、ハワイにも一回だけ行ったことがあるんですけど、ハワイに行ってフラを踊るのが夢。

音楽もそうだしロケーションもそうだろうけど、何が一番魅力ですか?

魅力ですか。踊りはね、あれ手話なんですよ。だから歌詞の通りに手を動かして波とかヤシの木とかそうやって表現をすると、私ハワイその時まだ行ったことなかったんですけど、ハワイに行っちゃうんですよ自分が。

飛んじゃうんですね。

そうそう。先生から教わった踊りを踊って音楽を聴いて、ああ山だなとか、ああ風だなとか思ってるとそこ行けちゃうんですよ。それがすっごい楽しくって。フラは楽しいですよ。一生やりたいことです、おばあちゃんになるまで。死ぬまでやりたいって思うことの一つかな。

心も体も健康でいられそうですよね。

そうですね、すごくリラックスできるので。

美容にも良さそう。

そうですね。で、こう笑顔じゃないですか。踊りなんか下手くそでも笑っていればいいんですよ。だから見てても気持ちいいし踊ってても気持ちいいので、フラはおすすめです。

そうですね、すごく運動神経がないとダメとか筋力がないとダメっていうスポーツじゃないですもんね。

そうなんです。老若男女誰でもできるので、とっても楽しいです。

6人のお産エピソード

池田さんのお産ってそれこそ十人十色だったと思うんですけど、このエピソードがめちゃくちゃ印象に残ってるとかこれは忘れられない体験だとか、酸いも甘いもどんな経験がありますか。

そうですね。1人目から6人目までダイジェストでいいですか。

ダイジェストでお願いします。

1人目はですね、女の子だったんですけどみんな6人とも順調な経過でね、お産も自然分娩で大きなトラブルはなかったんですけども、1人目の時は出産っていうものがこんなに怖いんだって思ったんですよ。なんていうかね、すごく体感として恐怖を味わっちゃったんですね。だから1人目を生んだ後2人目をほしいなって思うまでちょっと気持ちの整理が必要だったというか。またあの怖い体験をしなきゃいけないのかなみたいのが残っちゃったんですよね。

一番の原因は何ですか?例えばほったらかされたとか。

やっぱり初めてだったっていうのが一つと、あとはね、陣痛室にいたときに助産師さんとか看護師さんとかがいなくなっちゃったんですよ。一人で痛いの怖いのを乗り越えて、必要な時だけ来て「はい、内診します」みたいな。「はい、さよなら」みたいな。また行っちゃった、痛いんですけど…みたいな感じでちょっと放置されたというかそういう風に思ったんですよね私。近くに寄り添ってほしかった。旦那さんにも立ち会いしてほしかったんですけど、旦那さんが入るタイミングを逃しちゃって、あとで声かけますねって看護師さんが言ってくれてたんだけど、声かけるの忘れちゃったみたい。旦那さん廊下で待ったまま私出産しちゃったんですけどね。だからそういうのもちょっと不満とかそういうのが残っちゃってますね、1人目の時。で、2人目はちょっと産院が変わりまして、結構フリースタイルの助産院っぽい病院だったので、最初から最後まで助産師さんが腰さすってくれたりとか近くにいてくれて結構安心して、旦那さんも立ち会いがはじめてその時できたので、「ああ、こんな感じか。出産ってこんな感じなんだ」みたいな感覚がやっとつかめみ始めた。だけど旦那さんの立ち会いに関して私不満が残っちゃって。あの時こういう声掛けをしてほしかったとか、こういう態度でいたのがむかついたとか結構不満が残っちゃって。

わかる気がします。

結構ありますかね、そういうケースって。なので3人目の出産の前には旦那さんにこうしてほしいっていうのをちゃんと言いました。励ましてとか。なんか旦那さんね、励ましても痛み変わらないから励まさないほうが良いと思ってたらしいんですよ。

具体的に頑張ってとか、もうちょっとだよとか。

そうそう。頑張ってとかもうちょっとだよって言ってほしいって言ったんですね。

じゃあ2人目の時はずっと旦那さん見てるだけ?

そうそう。見てるんだけどたぶん何していいかわかんなくて、一応さすってくれたりしても場所がずれてたりするじゃないですか、男の人はわかんないからね。そういうことがあったので、ここ押してとか事細かに言ったのとあと3人目の時は上野1人目・2人目も一緒に立ち会いしたんですよ。だから本当に家族で赤ちゃんを迎えたっていうの初めての体験ができて、3人目の出産は一番満足度が高かったというか嬉しかったですね。産むのってひとりじゃないんだ、みたいな。みんなで産んだみたいな感じ。すごい満足感があった。子供は泣いてましたけどね。1人目・2人目のお姉ちゃんお兄ちゃんはちょっと怖がったりとか、たぶん夜眠かったのもあるのかな、泣いたりもしてたけどお産が終わったらすとんってすぐ寝てました。

良い関係ですね。4人目のお子さんは?

4人目はまた病院が変わりまして、その産院がなくなってしまったので今度は総合病院で産んでますね。総合病院で産んだ時はもう感覚がわかって、今日生まれるとかそんなのがわかったんで夕方これから帰ってくる旦那さんのためにそうめん茹でてたんですけど陣痛来てるな、ああ、来てる来てるって思いながらそうめんだけは茹でておこうって感じですごい余裕がありました。上の子がサッカー行かなきゃいけないとかいろいろ忙しかったからそっちの手配して、誰々さんに代わりに迎えに行ってもらう手配とかいろいろしてじゃあ病院に行こうっていって病院に行ったらすぐ生まれたんですよ。

ちょっと聞いてると怖いくらいですね。もうちょっと早めに来てほしいみたいな。5人目のお子さんの時は?

5人目の時がですね、産む数日前に夫婦喧嘩したんですよ。結構わたしがブチ切れてしまって。私がすごい腰を痛めてしまってぎっくり腰みたいになっちゃったんですよ、産む直前にね。歩けなくなっちゃってトイレも行くのも這っていくような感じだったんですけど。そんな体の状態だったからだと思うんだけど、旦那さんがちょっと言ったなにかにカチンときて怒っちゃったんですよ。それでいざ産まれるなっていう日が来た時に、5人目だからきっとすぽんと生まれるだろうって思ってたら一晩かかったんです。一晩旦那さんが私の腰をさするっていう。きたきた、痛い痛い…みたいな感じで。そこでたぶん仲直りをさせてくれたんじゃないかって私は思うんだけど、子供が。一晩唸って朝ぽんっと生まれてきました。

もうじゃあ言葉は、あの時はごめんねとかちょっと言い過ぎたあの時の態度は悪かったっていうのは?

言ってくれたと思います。私も言ったと思うし、ごめんねって。うちは結構ちゃんと謝るので。

じゃあ良いタイミングで陣痛が来ましたね。

長かったけどきっとそういうことだったんだなって私は勝手に解釈してますけど。パパとママを仲良くさせようと。

いいですね。お産って意味があったりするんですよね。うちも今中学2年生のいわゆる思春期まっただ中で、子供が二人いてお姉ちゃんのほうがいま思春期まっただ中だからこんなにも生意気になるのかとかすごく心折れることがいっぱいあるし、お礼を言わないとか感謝の言葉も述べないっていうのがあるんだけど、例えば子供は言わないけど私が思春期まっただ中で荒れてたときなんか親とけんかすると別に産んでって頼んでないしとか言ってたような気がするんだけど、自分が助産師になって勝手に親が産んだじゃなくて私は意志を持って生まれてきたんだなって思うんですよ。子供って意志を持って生まれてくるんだなって思ってるので、勝手に産みやがってって言われたらあんたが勝手に生まれたんだよって言おうかなと思ってるんですよ。ほんとに神秘的でお産って。例えばへその緒とかって50cmもあるから下手するとどっかで絡まったりとか、もう十月十日大きくなるとそんなスペースないけどお腹の中を自由自在に動けるくらいの大きさのときって胎盤と臍帯が絡まったりとかすると、絡まってしまうと赤ちゃんが生まれるときに結び目がぎゅっと苦しくなるんじゃないかって思うんだけど、そういう子供は必ずゆっくり生まれてくるんですよ。やっぱりこうぎゅってならないように加減しながら。だからやっぱりできる助産師さんはお産って急がせちゃダメなんだよって言ってて、ゆっくりな人にはゆっくりな理由があるって言うんですよね。だけど先生とかって、いま産科の損害賠償ってすごく多いんですよ。これだけ小児科医のなり手も少ない、ましてや産科医なんてほとんどいないような中で賠償問題も付きまとうじゃないですか。美容とかああいうところはそんなにないんですよ。さらに何億も稼ぐみたいな先生も出てきちゃうから。本当に産科領域のなり手が少ない中で、先生たちもお産てもう特別なものになってるんですよね。今まで産むとか例えばなくなるもそうなんだけど、人間の摂理の中で当たり前のようになってたんだけどお産てめちゃめちゃ特別とか人がなくなるのもめちゃめちゃ特別みたいな感じで看護師でも生と死を別個に考えている人が多くて。なのでわたしは助産師でもあり看護師でもあって訪問看護の立場にいると一週間に何人もバタバタって亡くなられたりもするから、お産て本当に神秘的でスピードが人によって全然違うから何かたぶんあったんでしょうね。そんな感じがしました。では最後、6人目のお子さんは?

6人目はもう本当にすぽんですね。6人目は今日生まれるなって思って、ちょうど検診の日だったんですね。40週0日だったんですよ。あれ来ないなみたいな感じで待っていて6人の中では一番遅かったんですよ。予定日まで来ちゃったわなんて思ってて、でももうその日お腹がちょっと痛いぞって思っていて、で検診に来て下さいってことで行って、なんか今日生まれちゃうかもしれないからじゃあ入院しましょうっていう感じで入院したんですけど一回遠のいちゃったんですよね。あれ?ない?どこ行っちゃったんだろう?みたいな。間隔空いて来ちゃったなみたいな感じで。ちょっと診察をまたして出口を柔らかくするような注射をしたんですよね。それでだんだん進んできて、でもまだもうちょっと時間かかるかななんて言って。明日になっちゃうかななんて私もちょっと思ったんですけど、旦那さんも上の子たちもいっぱいいるから帰らなきゃ時間もうリミットだなみたいな。いなきゃいないでそのときだと思ってたんですよね。それで帰るかなみたいなちょっと段取りしようかなと思ったらパンっと破水してそこから30分ですよ。パンっ、ザーみたいな。ウォータースライダーみたいな感覚だったんですよね。

それくらい勢いのある破水だったんですか?

そうでもないかな。もう診察台みたいなところにいたのでじゅわ~って感じで。きた!破けたね!みたいな感じで。

じゃあそれからぐーっとお産が。

もうそのままお産になりますって言われて、そうなんですかみたいな。介助してくださるみなさんがバタバタバタって来てぽーんと産まれちゃったので味わう間がなかったです。もうちょっと味わいたかったくらい。

産後の痛みは変わらなかったですか?

変わらないですね。

子宮の戻りは?

戻りも良かったし、別に上の子とそう変わらなかったですね。結構元気でした。

最初のときって恐怖があったのをいろんな風に客観的に捉えられたりしてるなってだんだん思ったんですけど、それを取り除く何か術というか、この本読んだとか、こういう話を聞いたとか。

時間じゃないですかね。やっぱり時間が解決してくれたことは結構出産に限らずありますね。辛いことあっても1日1日過ごしていくうちに薄れていくから。それでやっぱり子供可愛いな、またほしいなって思ったときにうちの場合は自然に来てくれたって感じだったので。

ママになりたい人、ママになる人へ

これからお母さんになる人とか、産む・産まないの選択ってわたしそこは個人の自由だとは思ってるんですが、これからママになりたいとかお母さんになってこういう過程を築きたいとかっていう女性がたくさんいらっしゃるんですが、そのお母さんになる人へのメッセージみたいなものはありますか?

そうですね。やっぱり案ずるより産むがやすしと言いますか、考えていてもわからないからまず産んでみて育ててみればわかる。ほんとうに経験で分かることもいっぱいあるから、育児書もたくさんありますけどSNSもそうだし、いろんな情報って自分が良くなるために集めてほしいなって思うんですよ。自分を苦しめたりとかガチガチに理想にはめ込むために使わないでほしいなって思う。やっぱり自分の感覚とか直感とかも大事にしてほしいし、子育てママはそんなにきらきらしたものじゃないっていう現実を知っておけば、気軽に子育てしたらいいと思いますよ。

起業ストーリー

お子さんも6人いらっしゃって起業もされているそのバイタリティーというか起業への思いというか、そのストーリーってどんな感じなんですか?

そうですね。ほんのり起業したい気持ちっていうのが20代からありました。わたしはたぶんお勤めに向いてない性質だと思うんですよ。決まった曜日、決まった時間にここにきて同じ仕事をするっていうのがおそらく向いてない特性があったんだと思うんです。でもそれってみんなやってるしって思って頑張ってやってきましたけど、結構大変だったんです。だから時々起業してみたいなとか自分の好きなことでなにかお仕事できないかな、それこそさっきのフラダンスなんかもそうですよね、ダンスの先生もいいな、なんていろいろ夢はあったんです。ただやっぱり子供もいたり、あと家も建てたしとか経済的なこととか考えるとこのお勤めをやめるのって結構なハードルじゃないですか。だから無理かな、なんて思いながら年を重ねてきたんですよね。一回は総合病院から訪問看護ステーションに移った時っていうのは、やっぱりね鬱になって体と心の限界が来ちゃったんですよね。そういうのでちょっと短時間できるすごく制度の整った会社だったので、後から行った会社がね。すごく有難くて自分で働く時間選べたりしたんですよ。

こころさん?

そう。10時から3時とか、9時から3時半とかみんないろんな勤めかたをしていてすごい素晴らしい制度の整った良い会社だったんですよ。そこで私も試行錯誤して本当に社長に感謝なんだけど、フルタイムで働かせてもらったり短時間勤務で働かせてもらったり最後はアルバイトみたいな形で本当に短時間だけ働かせてもらったりとか自分の働き方改革というかいろんな働き方を試してみました。どうしたら自分が心と体を壊さないで子育てと仕事両立できるかなっていうのでやってました。

今の割合はどのくらいですか?池田さんの家庭と仕事の割合。

割合ね、わたしはいま個人事業主になってしまったので結構1日中仕事のことは考えてます。仕事が好きなんですよ、それにも気が付いたんだけどね。仕事が好きで結構仕事とプライベートの境目がない感じ。子供がいても仕事のことチェックしてる時もあるし。

でも半々?仕事と子育て。

これからのこと

でもこうやって日中は保育園に預かってもらったり学校に行ってるので、自分の時間として仕事にぐーっと入り込める時間なんですよ。だからそうやっていろんなことをその日その日違うことをやってる自分が結構好きなので、それでそこに至ったきっかけというのが娘の不登校だったんですね。いま中学1年になりましたけど、小学校4年生の時に不登校になったんですよ。その時子供を一人でずっと家においておくのも心配だったし、行けたとしても帰ってきちゃうこととかあったんですね。そのサポートをしながら自分のお勤めもするってスタイルが本当に限界だなと思っちゃったんですよね。やっている方もいると思うんだけど、わたしは無理だなと思ってそこでちょうど起業のスクールに入って学んでっていう感じで始めたんですよ。娘が本当に教えてくれたんだなって思うんですけど、無理しなくていいよみたいな。私が勝手に捉えてるんですけど、娘が言ったわけじゃないけど、娘がそうやって学校に行かないっていう選択をすることによってわたしも「ああ、そっか。選択肢があるんだ。」って思ったんですよ。会社に行くだけが人生じゃないというかね。そう思って自分のやりたいことをやりたいスタイルで働けるっていうのを私は選択したんです、娘のおかげで。

聞いていて私が泣きそうになっちゃいました。

私も話しているとすぐ泣いちゃうんですよ。

どんな社会になって欲しい?

すごく良いお話をたくさんいただいているんですが、最後に生き辛さとか働き辛さとか育てにくさとかいろんな辛さを持っている人たちが少しでも肩の力を抜いて育児だったりこれからの人生を歩んでもらうっていう一助になればなと思っていたんですが、池田さんのほうで何か最後にメッセージお母さんとか子育て中の人でもいいし、子供たちに向けてでもいいですし何か最後にメッセージをいただけますか。

みんな違っててそれが良いよねっていうか、みんな違ってみんな良いっていう言葉ありますけども、そういう心を持った人がたくさんになったらみんな生きやすいなって思うんですよ。生き辛さなんて言葉もなくなるんじゃないかって思うんですよね。人と比べて私は違うとかね、大多数じゃなくて少数派だとかそういう風にするから苦しい。でも良いところももちろんあるしでも悪いところもあるじゃないですか。でもそれってそのままで完成系というか、だと思うんですよ。もちろん努力とかはしていいと思うんですけれども、無理はしちゃだめだと思うんですよ。自分の足りないところは誰かに補ってもらうとか、誰かの足りないところは自分がもし持ってたら補ってあげるとか、そういう循環をしてまわっていけば子育てもすごく楽なんじゃないかなって思うんですよね。だからうちみたいに不登校になっちゃったりとか発達障害の子がいるとかそういうお悩みのあるお母さんもたくさんいると思うんだけど、人と変わっているというかちょっと違うことっていうのは悪いことじゃないと思う。そういう風に捉えられるようになるといいなって思いますね。そういうのを学校とか家庭の教育っていう育ってくる段階においていろんな要所要所で、教育っていうとあれだけど、知っていくことが大事だと思うんですよね。さっき言ってた生まれるとか死ぬとかそういうこともそうだし、多様性とかそういうのも大人が子供に教えるっていうよりはもしかしたら子供が大人に教えてくれるような気もしますけど、そういうことを考えたり気づいたりするチャンスっていうのかな、機会が育ってくる間にあったらいいなって。やっぱり自己肯定感の低い大人が多いと思うので、そうしたら子供も自己肯定感がなくなっていっちゃうと思うのでやっぱり大人の人が楽しそうに働いているとかそういう世の中になっていったらいいと思うので、だから子育てママに言えることはママ自身が自分を笑顔にするにはどうしたらいいかなっていうのを考えて行動していってもらったらいいと思います。人それぞれ違うと思いますよ、やりたいこととかは。

自分へのご褒美大事ですよね。

そんなに大きなご褒美じゃなくても毎日毎日自分はいま何を食べたいのかとかどんな服が着たいのかとか、それさえももう忘れて子育てに熱中しちゃうじゃないですか。そうじゃなくて、ちょっと立ち止まってあなたは今何したいのって自分に聞いてあげて、自分にご褒美をあげつつ自分を可愛がってお母さんをやってほしいなって思います。わたしもそうありたいなって思ってます。

すごい良いお話が聞けました。ありがとうございました。